QOLとADLの関係性

世間一般的に、介護というと身体への介助をイメージすることが多いかもしれない。
しかし実際には、利用者の健康状態を維持または管理するためにも、生活の基盤までサポートしなければならないケースが多々ある。
身体介護もしくは生活援助のどちらかのサポートに偏らないことが大切であり、この2つのバランスを重視する必要があるのだ。

介護で生活援助をするにあたり最も配慮すべき点は、利用者にとって適切な衣食住を確保し、いかにQOLを向上させるかということである。
そして、生活援助をする心がけとして忘れてはならないのは、利用者が自己決定できるような形でサービスを提供することだ。
あくまでも生活の中心は利用者であり、その意志や考え方を尊重するのは大原則である。
これらの点を踏まえて、生活援助をする際の具体的なポイントを、次に幾つか挙げてみよう。

まず住居においてのポイントは利用者が安全に生活できることであり、電気やガスといった光熱関係に加えて、家具類も含めて安全性の定期的なチェックが必要だ。
そして、室内移動の負担や怪我のリスクを軽減するためにも段差を解消する等の措置を行い、快適な住環境を整える。
このほか利用者が使用する衣類においては夏物や冬物など季節ごとに分類し、必要な時期に補修や入れ替えを行っていつでも使用できるようにしておく。
また、利用者の身体状況に応じて、下着類や防寒服などの着脱の助言も求められる。

食事の準備や後片付けも、生活援助での重要なポイントである。
調理器具や食器を利用する際は、利用者本人やその家族の了解が必須だ。
さらに調理でも、利用者の健康や身体の状態に配慮して、味付けや形状を工夫する必要がある。

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