介護支援専門員の役割とQOL向上の援助原理

介護支援専門員(ケアマネジャー)の役割は、利用者の自立を支援しながら、QOLを高めることにある。
その際には、利用者がどのような生活スタイルを希望しているのか、それを実現するためにどんなサービスを求めているのか等、しっかりと把握することが重要だ。
介護支援専門員は、数点の原理に基づいて利用者の援助を行う必要がある。

まずは、社会生活の全体性の援助原理が挙げられる。
通常、人が社会生活を送る上では、様々な問題やニーズが複雑に絡み合い、相互に重複している。
介護支援専門員はこのような社会生活を全体から見る必要があり、利用者の社会生活の全体性から問題やニーズを把握してアセスメントやケアプランを作成しなければならない。

次に挙げられるのは、社会生活の継続性についてだ。
利用者を取り巻く社会生活は刻一刻と変化していくため、介護に関するニーズもモニタリングし続ける必要がある。
必要に応じて作成したケアプランを変更して、利用者が安定して社会生活を過ごせるようにマネジメントを行う。
介護支援専門員がケアマネジメントを行うにあたっては、介護利用者の社会生活の個別性を理解して、その主体的な選択を尊重しなければならない。
その理由は、生活する上で生じる問題は利用者一人ひとりで異なるためであり、これは社会生活の個別性の援助原理と呼ばれている。

最後は、社会生活の地域性の援助原理である。
社会生活を送る中で発生する問題は、地域の社会資源が解決の鍵になる。
ただし地域ごとに社会資源の状況は異なるため、まず社会資源の地域性をよく把握した上でケアプランを作成することが大切である。

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