介護を通じてQOLを高めるには

QOLをいかに高めるかは、介護に限らず現代社会においても重要な考え方となっている。
しかし、利用者においては年齢とともに身体面での制限が増えることや、それとともにモチベーションまで下がるという問題が発生する。
そのため、QOLを高めることへの重要性については根気強く訴える必要がある。

そこで介護士にとって重要になるのが、利用者が何を幸せと感じるかを知ることだ。
人と交流することがQOLの向上につながることもあれば、趣味を見つけることでQOLにつながることもある。
必ずしも正解が決まっていないからこそ、利用者ごとの特徴をしっかりと見極めて、適切なQOLの向上サポートを行う必要があるのだ。
そのためには、心健やかに生きるための介護の記述内容も参考にできる。

注意点として、QOLを気にするあまり他のサポートがおざなりにならないよう気を付ける必要がある。
日常動作を重視する指標にADLというものがあり、着替えや排泄をなるべく一人でこなせるようサポートするのが目的となる。
そこに時間をかけすぎると、余暇を生み出しにくくなりQOLが下がってしまう。
とはいえ、ADLをおざなりにすると他者の手を借りるばかりで利用者が申し訳なさを感じてしまい、モチベーションが低下してしまう恐れがある。

この二点のバランスに気を付けながら、一人ひとりの個性に合わせて適切な対応を進めていくことこそが、介護士に求められるスキルとなる。
生活を送る中でフラストレーションが多い状態にあるほど、人との交流や寿命にも影響する恐れがある。
だからこそ、そうした生活にならないよう細やかなサポートが必要なのである。

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